正式名称は「2021ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会」、前日土曜のエリート・パラに続くエイジグループの大会です。緊急事態宣言が延長され今年も多数の大会が開催中止に追い込まれる中、とても貴重な大会開催でした。今回はそんな横浜大会の参加者分析をしてみました。
2021年大会のスプリントDNS率は28%
コロナにより大会開催は大きな影響を受けたはず。では今年の横浜がどんなであったか、さっそくみていきましょう。
2021年大会のリザルトにはスタンダードのDNSの記載がありませんでした。なのでスプリントに絞った集計ですが、今年のDNS率は28%、例年の倍以上でした。スタンダードについては「参加人数 1178名」との情報があります。これによるとDNS率は32%ということになります。やはりコロナの影響は大でした。感染拡大が収まってないことや、スイムの練習不足から出場を見合せた選手がいたということでしょう。
出場人数をみると、今年は例年の7割の人数でした。残りの3割がDNSということです。かなり寂しい数字ですが、それでも1000人規模の大会開催とはさすが横浜です。
続いて参加選手が居住する都道府県です。コロナ禍のため「都県をまたぐ移動」の自粛が求められているでどうなんだろうと思いました。調べると1位は地元の神奈川県、2位はほとんど同数で東京都、この2つで7割近くを占めており、これは例年と変わらない状況です。2021年は2都県の割合がやや増えていて、代わりに他県からの参加は減ってることになります。顕著だったのは海外選手です。チャートではその他に含まれてしまってますが、2019年は110人のところ、2021年の海外選手はわずか10人でした。
人気の横浜は半分がリピーター
人気大会の横浜はリピーターも多いはず。
これはその通りでした。今年の出場選手について2014年以降の横浜参加歴をみると、出場数2回以上のリピーターが半数を占めます。4回以上は20%で212人、7回連続で毎年出場してる選手は36人もいます。さすが人気大会ですね。
こんどは今年の出場選手について2014年以降の全大会の出場数(TRidB値)をみてみました。こうなると出場数が2桁のベテランばかりです。チャートでは10回までしか表示していませんが、最多出場数はなんと70回です。69歳の男性選手でした。
それ以上に注目したいのは大会出場数1回の選手です。嬉しいことに今年の横浜で129人の選手がトライアスロンデビューを果たしました。おめでとうございます!
横浜リピートを調べるうち特徴をひとつみつけました。それは今年の参加選手のリピーター率が例年の倍以上だったことです。2020年大会の中止を受けてエントリーの繰り越しがあったのでしょうか。ちょっと理由が見えないのですが、もしかするとコロナによってビギナー選手が参戦を見送っている、もしくはトラデビューする選手が少ない状況なのかもしれません。
今年も激戦だった横浜大会
最後に大会レベルもみておきましょう。
まずは年齢分布です。TRidB全体値と比較すると、スタンダートは「45-49歳」「50-54歳」の選手が多かったようです。つまり激戦だったということです。スプリントは「19歳以下」「25-29歳」が多いですね。ジュニア選手が出場機会を欲してるのかもしれません。
このチャートでは各年における1位/10位/100位/250位/500位の総合タイムを比較しています。2021年は参加数が少ないのでレベル幅が出てしまっていますが、上位のタイムは例年と同じかそれ以上です。つまり選手の皆さんはコロナだからといって鈍ってなくて、しっかりとトレーニングを積んで横浜に出場したということ、そして例年以上のパフォーマンスを発揮したということでしょう。
スプリントはよりパフォーマンスが上がっており、厳しい戦いだったことがうかがえます。
いかがだったでしょうか。
今回はコロナ禍で開催された横浜大会の状況を参加者分析を通してみてみました。
大会は日々の練習成果を発揮する場所です。その場所がない今はトレーニングする熱意も失われがちですが、横浜大会は例年以上の内容だったことが分かりました。ぜひコロナに負けず、次の大会に向けて頑張りましょう‼